私たちはさまざまな色に囲まれて生活をしていますが、色は私たちの心理に思った以上に大きな影響を与えています。
例えば、赤・オレンジ・黄色などの暖色系の色が気持ちを高める一方、ブルーなどの寒色系の色は気持ちを落ち着かせます。
これは、スポーツ選手も集中力を高めるときには青を、闘争心を上げたいときには赤を使っている、そんな話をきいたことがあるな、ということと重ねていただければわかりやすいかな!と思います。
色が人間の感情に及ぼす影響を利用することで、『購買意欲』を高めることも可能ですし、『理想の顧客層』に訴えることもできます。
その、色が、ビジネスの成功の成否に強く影響を及ぼしているケースもあります。
今回は色彩心理学を生かしたカラーマーケティングについてご紹介します。
カラーマーケティングとは
色彩心理学とは、色彩に対する人間の行動や反応を研究する学問です。
この色彩心理学を応用したマーケティングを「カラーマーケティング」と呼びます。
どんな印象をお客様から持ってほしいか? = どんな印象が好きなお客様に来てほしいか = ブランドに直結するお話です。
購買意欲を高める「赤」と信頼感を持たせる「青」
購買意欲を高める「赤」と信頼感を持たせる「青」
色はそれぞれ、異なる心理的効果を持ちます。
例えば、SALEの時期、チラシやポスターは何色でしょうか?
そう、赤です。
赤というのは、「購買意欲」を高め、「今買わないと!」というような気持ちを駆り立てる色です。
飲食店では、お客様の気持ちを高めて食欲を増進させたり、顧客の回転率を良くしたりするため、暖色系の赤を内装やテーブルクロスなどに効果的に使用しています。
なので、赤は「決断色」「購買色」とも言われています。
そう思って、楽天のページを見てください!
まるっきり「赤」「赤」「赤」!!!
マクドナルドも、赤を使っていることも多いですね。
実は最近、マクドナルドはチープなシンプルな「赤」から・・・高級感のある店舗に変更していることにお気づきでしょうか?
ちょっと、おしゃれなカフェ感ありますよね。ぜひ店舗に行ったときに今度みてください。
そして、こっそり、「値上げ」されていることにも気づかれているでしょうか?
同じ赤、でも、方向性を変えていくことで、ブランドの向上、価格の向上、そして、利益への貢献につなげていくことが可能なのです。
一方、企業の中には、コーポレートカラーを青に設定するところも少なくありません。
これは、青が持つ「信頼感」をアピールするために使われています。
さらに踏み込んで考えてみると、「ピンク」の銀行ってほぼないことをご存じでしょうか?
かつてあった、「ピンク」の銀行。
あれは、なんとなく、ピンクの銀行に大金を預けるのは不安・・・ということで法人契約が少なく、そして、ついにはなくなってしまった。というのもカラーマーケティングの話の中では有名なお話です。
いかがでしょうか?
いかに、色が人に影響を及ぼしているか、感じていただけましたでしょうか?
以下にそれぞれの色から一般的に連想されるイメージを挙げてみましょう。
色から連想されるイメージ
赤…エネルギー、強さ、元気
青…冷静、知的、信頼
緑…自然、環境、幸福
オレンジ…楽しさ、陽気、親しみ
白…清潔、真実、平和
黒…高級、神秘、重厚
紫…繊細、不思議、エキゾチック
ピンク…女性的、優しさ、愛情
茶色…安定、堅実、大地
灰色…落ち着き、上品、大人っぽさ
黄色…明るさ、希望、活発
色が及ぼす心理的効果
赤…気持ちを高める、熱や温かさを感じさせる
青…気持ちをリラックスさせる、集中力を高める
緑…ストレスを減らす、心を癒す
オレンジ…陽気な気分にする、親しみが生まれ仲間意識を高める
白…清潔な印象を与える、気分を一新させる
黒…物を実際よりも重く感じさせる、強さを感じさせる
紫…ヒーリング効果がある、感性を刺激する
ピンク…愛情が欲しくなる、幸せな気持ちになる
茶色…安定感を与える、緊張を和らげる
灰色…控えめな印象を与える、上品さを感じさせる
黄色…喜びや希望を与える、判断力を高める
このように実際に、色とイメージ、印象を紐づけて書いてみると、確かにそうだ!と思っていただけるのではないでしょうか?
ですので、自社ブランドに何色を使おうか?と思ったときには、どんな印象を持ってほしいか?というところから考えて、選んでいただくのがいいと思います。
よく、自分の好きな色を使いたいという方もいらっしゃいます。それも正解です。
自分の世界観が出来上がっているひとは、実は迷わず自分の「色」というのを無意識に選んでいらっしゃいます。
でも、逆に、自分のブランドは何色がいいだろう・・・
そのように悩むのであれば、お客様に「どんな印象を持ってほしいか?」「どんなイメージがふさわしいか?」で選んでいただくといいですね。
また、今は、赤・青・黄色 など、単純な色でご説明しましたが、それぞれの色にも、ピンクがかった赤や、薄い赤(ピンクより)、シックな赤(エンジ色っぽい)など、トーンや、明度と呼ばれるものでさらに与える印象が大きく変わってきます。
それにさらに、ブランドカラーが1色ではなく、2色、3色と足していったときの、調和などでも伝わる印象は大きく変わります。
使う面積の比率によっても、与える印象は大きく変わります。
このブランドカラーを決めて、それを、すべての媒体(ホームページやブログ、チラシ、名刺)などに共通に使っていくことでブランドイメージを統一してお客様に伝えていくことになります。
色は無限に近い組み合わせがありますので、迷う場合には、プロのWEBデザイナーに相談しながら、自社ブランドの色を決めて行ってくださいね。
ターゲットに合わせて使うカラーマーケティング
また、カラーマーケティングをするときには、『ターゲットに合わせて』、単色系、パステル系、シック系にすべきか、考えたうえで色を決めていく必要があります。
例えば、高級ホテル、ビジネスホテル、シティホテル この3つで比較するだけでも、ターゲットが違う=使っている色も大きく違うと気づいていただけると思います。
高級ホテルでは、シックなダークカラーを使っていることが多いですね。重厚感、高級感。だから、人は高くてもお金を払うという仕組みなのです。
パステル系のホテルで(ブランドが確立しているところは別ですが)、高級ホテル系並みの価格設定しているところってほぼないはずです。
カラーマーケティングのWEBページ・WEBブランディングへの応用
これまで書いた通り、購買色の1つである赤は日常のあらゆるところで使用されています。
WEBページであれば、購入ボタンなどといったアクションボタンに赤を使うことで、お客様の購買意欲を刺激する効果が見込めます。
また、オレンジや黄色のボタンを使用したサイトも多く見られますが、これは色が持っている気分を高揚させる性質をうまく活用しています。
ただ、注意しなければいけないのは、じゃ、ボタンだけ赤にすれば売上が上がるのか?という単純な話ではないところです。
サイト全体の統一感。その中で、どの色にどんな役目を担わせるか?というのが大事なのです。
ホームページはターゲット層に合わせた配色。または、自社ブランドを示す配色に。
カラーマーケティングをホームページに応用する場合のポイントは、ターゲットに合わせた色または、自社ブランドに合わせた色を使用することです。
元気はつらつな企業は、彩度の高い色を。
ソフトな優しさを伝えたい企業は、パステルトーンの色を。
男性向けなのか、女性向けなのか?
安売りをPRするのか、高級感をPRするのか?
どんな目的にするかで、使うべき色が全く異なることに気付くでしょう。
高級感のある飲食店のサイトは黒を基調としたダークな配色が中心にカッコよくまとまっていることもありますし、また、同じ高級感のある飲食店でもリゾート感のあるロイヤルブルーなどでページを作っている場合もあります。
女性向けサイトはピンクなどの明るくポップな色がよく使われています。扱う商品に対して「かわいい」とか「優しそう」「心地よさそう」という感情を与えるためですね。
ピンクの中でも、人気なのは、サーモンピンクなどです。ブランドによっては、ショッキングピンクなんかもうまく使って表現しているところもありますね。
同じピンクの中でも、かわいいピンク、カッコいいピンク、安心するピンク。本当にいろいろあります。
ぜひ、あなたの事業・会社・売上・ブランドに貢献するピッタリの色をみつけてくださいね!