マーケティングは一言でいうと「セールスを楽にすること」
起業やモノを売ることを考えていると、よく目にする『マーケティング』という言葉。
マーケティングは、販促、市場調査、販路の開拓など、さまざまな意味で使われていますよね。
では結局「マーケティング」とは何なのでしょうか?
一般的にはマーケティングを一言でいうと「販売を不要にすること」だと言われています。
これはマネジメントで有名なピーター・ファーディナンド・ドラッカーという人の有名な言葉
「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ」
出典元:P.F.ドラッカー『マネジメント【エッセンシャル版】』 ダイヤモンド社、2001年
から引用しています。
もちろんドラッカーの言っていることは間違いではないでしょう。マーケティングが成功すれば販売を不要にすることはできるのかもしれません。
ですがミライズでのマーケティングの定義は「セールスを楽にするもの」です。
具体的にどのようにマーケティングをおこなえばセールスを楽にすることができるのか、この記事ではマーケティングの概念から、マーケティングをどう進めていけばいいかを具体的に解説します。
マーケティングの理解を深めたい方は最後まで読んでみてくださいね。
有名人が提唱するマーケティングの定義
まずは冒頭でも触れたように、マーケティングの定義について有名人の言葉から考えてみましょう。
冒頭でも引用したピーター・ファーディナンド・ドラッカーと、マーケティングの発明者といわれているフィリップ・コトラーそれぞれのマーケティングの定義についてご紹介します。
ピーター・ファーディナンド・ドラッカーが提唱するマーケティングの定義
ピーター・ファーディナンド・ドラッカーは、マーケティング業界ではとても有名な人物です。
経営学者として、政治、経済、経営にとどまらず、文学、心理、哲学などさまざまな分野で影響力を発揮していました。
このドラッカーの有名な言葉として以下の言葉があります。
「マーケティングの目的は、販売を不要にすることだ」
出典元:P.F.ドラッカー『マネジメント【エッセンシャル版】』 ダイヤモンド社、2001年
「マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである」
出典元:P.F.ドラッカー『マネジメント【エッセンシャル版】』 ダイヤモンド社、2001年
つまり、マーケティングで大切なことは
・顧客を理解すること
・製品とサービスを顧客に合わせること
であるとわかります。
これができれば、自ら販売をしていかなくとも、商品が勝手に売れる仕組みができるということですね。
フィリップ・コトラーが提唱するマーケティングの定義
更にマーケティングの発明者と言われている「フィリップ・コトラー」が提唱したマーケティングの定義です。
コトラーもマーケティング業界では知らない人はいないくらい有名な人物です。コトラーの有名な言葉も二つ見てみましょう。
「ニーズに応えて利益を上げること」
出典元:『コトラーのマーケティング・マネジメント ミレニアム版』ピアソンエデュケーション 著者:フィリップ・コトラー 翻訳:恩藏 直人
「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること。」
出典元:『コトラーのマーケティング・マネジメント ミレニアム版』ピアソンエデュケーション 著者:フィリップ・コトラー 翻訳:恩藏 直人
コトラーの言葉から
・顧客のニーズに応えること
・価値を生み出すこと
が重要であるとわかります。
マーケティングとは
それでは結局マーケティングとは何なのでしょうか。上記でご紹介した有名人二人の格言から、重要なことはわかりました。ですがそれを実行するためにはどうすればいいのでしょう?
冒頭でマーケティングを一言で表わした「販売を不要にすること」という言葉も、つまりそこにたどり着くためにはどうすればいいのか?という疑問がわいてきませんか?
ここからは有名人の格言から私が考えるマーケティングの理論についてお伝えします。
マーケティングとは「顧客のニーズを理解すること」
ドラッカー、コトラー二人の格言
「ニーズに応えて利益を上げること」
出典元:『コトラーのマーケティング・マネジメント ミレニアム版』ピアソンエデュケーション 著者:フィリップ・コトラー 翻訳:恩藏 直人「マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである」
出典元:P.F.ドラッカー『マネジメント【エッセンシャル版】』 ダイヤモンド社、2001年
にあるように顧客のニーズを把握することはマーケティングにおいて何より重要です。
顧客の本質的なニーズを理解することで、商品そのものではなく、本当に顧客が必要としている価値(ベネフィット)を提供できるんです。
これはマーケティングで有名な著書『ドリルを売るには穴を売れ』を読むとわかりやすいですが、ドリルが欲しい人が本当に求めているものは「穴」であり、ドリルそのものではないんですね。
ドリルは単に顧客が求めている穴を作り出すツールにすぎないんです。
顧客のニーズを知るためには「顧客を理解する」ことが重要
そしてその「穴をあける」ということだけでも、顧客によって違いがあります。
本格的にDIYがしたくて大きな穴をあけたいのか、それとも子どもの工作に使いたいのか、それによって選ぶドリルも変わってきます。
もはやドリルである必要もないのかもしれませんよね。
「顧客を理解する」ことで、その顧客が求めている価値がもっと明確になります。
子供が使う工作用のドリルを売るなら、小さめで軽く扱いやすい、安全に使えるというメリットを押し出すべきですよね。
穴をあける力の強さや大きな穴があけられるというメリットは二の次になります。
反対に本格的にDIYがしたくてドリルを探している男性に売るには、回転力が強く、大きな穴でも簡単にあけられることが求められるでしょう。この場合、重量や大きさは二の次になりますね。
このように、顧客のニーズを理解するためには、顧客を理解し、その顧客が求めている価値を知ることが何よりも重要です。
マーケティングとは「顧客を創造すること」
ドラッカーが企業の目的として提唱している「顧客の創造」という言葉があります。
「顧客の創造」と聞くと難しいですが、これはつまり「新しい市場を開拓すること」です。
人には潜在的な欲求がたくさんあります。「みじん切りするの面倒だな~」と思っている人は「もっと楽にみじん切りができるモノが欲しい」という欲求がありますよね。
そういった顧客のニーズに応えることで、新たな顧客を創造することができるというわけです。
例えば、マスクもコロナによって必要になるまでは、白い不織布のマスクが普通でした。ですが今では白や黒に限らず様々な色のマスクがあり、柄も大きさも機能も、この2年で顧客の不満や欲求に応じで大きく市場が変化していますよね。
これも新しい市場を開拓したと言えるのではないでしょうか。
更にここから細分化された市場として、ウェディング用のマスクが挙げられます。
「結婚式にマスクをして参列したいけれど、普通のマスクだと上品さが出せないし・・・」という不満に対して、レースやサテンで上品に仕上げたマスクが話題になりました。
参列者だけでなく、新郎新婦のドレスやタキシードにも合うブライダルマスクというものも登場していますよね。
もう一つ例を挙げると、コロナ禍によってジムやヨガに行けなくなった人に対して、オンラインのフィットネスやヨガのサービス、宅トレのYoutubeなんかも登場しました。
「外に出れず運動不足」「運動したいけどジム(ヨガ)には通えない」という顧客の表面的な悩みから、「室内で自分の好きな時間に運動したい」「家でできるトレーニングを知りたい」という本質的な欲求までをついたサービスですよね。
このように、顧客の創造は市場の変化や情勢の変化にも目を向けることで創り出すことができます。
マーケティングとは「セールスを楽にすること」
上記二つのマーケティング「顧客のニーズを理解すること」「顧客を創造すること」
を実行することで、ミライズのマーケティングの定義である「セールスを楽にすること」に近づけます。マーケティングは「販売すること」と捉えられがちです。確かに販売しなければ利益は上がりません。ですがマーケティングの本質は、顧客に商品やサービスを「売り込む」のではなく「商品やサービスを必要としている人に届ける」または「ニーズを満たす価値を創り出す」ことであると言えます。この仕組みに近づくことで、ターゲットや届ける価値が明確になるため、セールスがしやすくなるのです。
マーケティング戦略8つのステップ
それでは実際にマーケティング戦略を立ててみましょう。
少し難しいですが、ここでは一般的なマーケティング戦略となる8つのステップについて解説します。
①リサーチ(市場調査)
マーケティング戦略を立てるためには、まずサービスや商品を提供する市場がどんな状況なのかを知る必要があります。
市場の状況だけでなく、顧客や競合、自社についても知ることが重要です。
ここでは内部環境、外部環境の両側から分析します。
②セグメンテーション(市場細分化)
セグメンテーション(市場細分化)とは、市場にいる不特定多数の顧客をさまざまな切り口で分類し、特定の属性ごとにグループ(セグメント)を作ることです。
市場を細分化することで、商品やサービスをどの層に、どのようにアプローチするかを考えることで効率よく必要な人に届けることができます。
このセグメンテーションはマーケティング戦略においてとても重要なプロセスです。
③ターゲティング
ターゲティングは、セグメンテーションにより分類されたグループの中から、さらに自社がターゲットとする属性を絞っていくことです。
そのグループの規模感、サービス(商品)との親和性、購買力の高さなどから優先順位を決めて、より有望なグループをターゲットにすることが大切です。
④ペルソナ設定
ターゲットとする属性を絞り込めたら、次にペルソナ設定をおこないます。
ペルソナとは、ターゲットとなる人物像をさらに深く掘り下げたもので、ターゲットよりもより詳細な人物像のことです。
年齢、性別、職業、居住地、趣味、普段の生活などを具体的に設定することでユーザー視点の精度を高めることができます。
⑤ポジショニング
ターゲットが明確に決まったら、そのターゲット層にサービスや商品の魅力を認知させる「ポジショニング」を決めていく必要があります。
ポジショニングは自社商品のゴールを決める段階で、ターゲットとなる顧客にどう認識してもらいたいかを決め、市場の中での立ち位置を決める重要な項目です。
市場の中で、オンリーワンを目指せる立ち位置や安定できそうなポジションを探ります。
⑥ベネフィット(価値)を考える
ターゲティング、ポジショニングができたら、ターゲットにどのようなベネフィット(価値)を提供するかにを考えていきます。
ベネフィットとは、その商品やサービスを使うことで得られる価値のことをいいます。メリットとはまた違うことを理解しておきましょう。
例えば、洗濯乾燥機のメリットは「洗濯から乾燥まで自動化できること」ですが、ベネフィットは「干す手間がなくなり家事を時短できる」「自由な時間が増える」という部分になります。
マーケティングでは、メリットではなくベネフィットに重きを置いて考えることが重要です。
⑦4C分析をする
続いて販売戦略に移ります。
ここでは販売戦略の代表的な分析法の4C分析について簡単に解説します。
4C分析は
Customer Value(顧客価値)
Cost(コスト)
Convenience(顧客利便性)
Communication(コミュニケーション)
上記4つの視点から分析し、誰に、どのような価値を、どのように提供するかを考えていく分析方法です。
「顧客価値」は⑤のベネフィットを考えることに通じます。「コスト」は顧客が支払うコストのことですね。
「顧客利便性」は、商品やサービスを手にするまでの利便性のことを指します。インターネットで販売するのか、店舗まで足を運んでもらうのか、またWebサイトのユーザービリティや決済方法などもここに含まれます。
そしてコミュニケーションは、PR活動で顧客とどのように関係を築いていくか、ということ。
これら4つを顧客目線で考えていくことで、販売戦略が形づくられていきます。
⑧実行
マーケティングリサーチ、販売戦略を立てたらいよいよ実行へと進みます。
ただし、上記のステップをクリアしたからと言って、マーケティングが成功するわけではありません。
マーケティング施策の実行後も定期的にターゲティングやポジショニングの見直し、戦略の見直しをする必要があります。
女性ならではの視点でご提案します
ここまで、私が考えるマーケティングの定義、そして一般的なマーケティング戦略について解説してきました。
この記事でお伝えしたマーケティングの考え方については、事業を継続していくにあたってとても大切です。
とはいえこの記事の通りに自分一人でマーケティング施策から戦略を考えて進めていくのはハードルが高いと思います。
マーケティングの概要が分かっていて、こうしたらいいと理解はしていても、実際に手を動かし始めると思考が整理できず不安や悩みが押し寄せてくることもありますよね。
ミライズでは”女性ならではの視点”で、不安やお悩みをお伺いしながら、マーケティング施策やブランディングについてご提案しています。
マーケティングやブランディングだけでなく、ビジネスのお悩みや起業に関するご相談など、幅広く受け付けております。
まとめ
マーケティングには様々な定義があり、様々な状況や場所で使われます。
その為、ただ一言だけですべてを理解するには難しいのです。
マーケティングの考え方を理解し、戦略や手法を使って施策を実行していく必要があります。
ですが、マーケティングを実行していくと、途中で迷いや悩みが生じることもあるでしょう。手探りで進んでいくのですから、不安になることもあると思います。
ミライズではお一人お一人に寄り添い、マーケティングやブランディング施策についてご提案しています。
あなたの不安、お悩み遠慮なくお聞かせください。
初回30分の無料相談会も実施しておりますので、お気軽にご相談くださいね。