ブランディングとホームページデザインの関係性と本質的な考え方とは
あなたのホームページはブランディングができていますか?
ホームページを持つ個人や企業が増える中で、多くの競合の中からあなたのビジネスを選んでもらうためには、他にはないあなた独自の強みや魅力をうまく発信することが求められます。
あなたの持つ強みや魅力がうまく発信できれば、きっと多くのお客様から「選ばれる存在」になることでしょう。
しかし、実際にはそれがなかなか難しいものです。
いったい、どうすればホームページを通して、あなたの強みや魅力をお客様に伝えていくことができるのでしょうか?
そのために、必要なのが「ブランディング」です。
この記事では、個人事業家や中小企業経営者の方向けに、ブランディングとホームページデザインの関係性やより良いブランディングを行うための本質的な考え方についてご紹介します。
そもそも「ブランディング」と「デザイン」の正しい意味とは
ブランディングやデザインを考えるうえで大切なのが、そもそも「ブランディング」や「デザイン」とはどのような意味なのかということです。
私は、ブランディングおよびデザインについて以下のように考えています。
・ブランディング・・・自分の商品・サービスの価値を最大化しつつ、必要としているお客様に伝えるための技術
・デザイン・・・ブランドイメージを言葉とビジュアルでお客様に届くように表現すること
単なるカッコよさやキレイさではなく、あなたの持つ価値をお客様に届くように伝えてあげることがブランディングの本質です。
それではまず、ブランディングに大きな影響を与えるホームページデザインの3つのポイントをご紹介します。
ブランディングに影響を与えるホームページデザインの3つのポイント
ブランディングで重要なホームページデザインの3つのポイントは次の通りです。
1.ブランドイメージを言葉ではっきりと伝えられているか
2.ブランドイメージをビジュアルで効果的に伝えられているか
3.ホームページ全体のトンマナが統一されているか
それでは一つひとつわかりやすくご説明します。
1.ブランドイメージを言葉ではっきりと伝えられているか
まず、あなたの会社または商品・サービスの持つブランドイメージをはっきりと言葉で伝えられているかがポイントです。
例えば以下のような内容です。
・あなたの商品・サービスの強み
・競合他社との違い
・起業しようと思ったきっかけ
・会社のビジョンや提供できる価値
・お客様があなたの商品・サービスを選ぶべき理由 など
単なる企業説明や商品・サービスの紹介だけではブランディングにはなりません。起業しようと思った経緯(ストーリー)や商品・サービスに込めた哲学、あなたしか提供できない価値などについて徹底的に考え、言葉にすることが必要です。
なぜなら、言葉には相手に訴える力があるからです。キャッチコピーやライティングにプロがいるように言葉の選び方ひとつで、相手に伝わるイメージも変わります。
あなたがその会社やビジネスを立ち上げようと思った理由(動機)やビジョン(理念・志)などをあなた自身の言葉で表現することが重要です。
また、今は、モノ(商品)を買う時代ではなく、コト(体験)を買う時代とも言われています。あなたの商品・サービスを利用することで、お客様が「どのような体験を得られるのか」「暮らしがどう向上するのか」という未来をはっきり書いてあげることも効果的です。
「〇〇〇を買うならこの会社」「□□□を頼むならこの人」と言われるようになったら、ブランディングが成功したと言えるでしょう。
2.ブランドイメージをビジュアルで効果的に伝えられているか
次に、ブランドイメージを写真や外観などのビジュアルで効果的に伝えられているかが重要です。
例えば以下のような内容です。
・ブランドカラー(ブランドを象徴するカラー)
・ロゴデザイン(ビジュアルアイデンティティ)
・ホームページの写真素材(トップページやサービス内容、プロフィールなどの写真)
ブランドカラー
色が与える心理的効果は大きいです。例えば、赤は熱く、青は冷たいというふうに、色によって人はさまざまなイメージを抱きます。あなたの会社の人格を表現するブランドカラーに、どんな色を採用するかによってブランドイメージも大きく変わります。
一般的には以下のようなイメージがあります。
赤 情熱、挑戦、生命力、暖かさ
青 信頼、誠実、開放感、若さ
黄 陽気、無邪気、ユーモア、幸福
緑 癒し、成長、永続性、平和
橙 元気、喜び、家庭的、エネルギッシュ
黒 高級感、シンプル、真面目、力強さ
ロゴデザイン
ブランドカラーが決まったら、そのカラーを用いたロゴをデザインしてみましょう。
ロゴは会社の顔に当たる部分であるため、会社の目指すビジョンや浸透させたいイメージをしっかり反映させると効果的です。例えば、力強さや柔らかさ、先進性など、あなたのブランドイメージに合った形状でデザインしたり、ブランドに関係する素材やグッズをモチーフとして取り入れたりすると良いでしょう。
また、ロゴはホームページだけでなく印刷物や名刺などさまざまなシーンで使われる可能性があるため、視認性(見やすさ)も優れていることがポイントです。
ホームページの写真素材
ホームページのトップに掲載するメインビジュアルやヘッダー画像は、ホームページの第一印象を決定する重要な要素です。あなたの会社のブランドイメージがはっきりと伝わるビジュアルは、お客様の興味・関心を一気に引き付けることができます。
逆に、ホームページにまったく関係ない画像を掲載していると、お客様に振り向いてもらえないばかりか、本当に信用できる会社なのか疑われてしまう恐れもあります。ホームページの訪問者もすぐ離脱してしまうことでしょう。
また、見込み顧客(ターゲットユーザー)に合わせた画像を使用することも重要です。よくありがちなのが、「日本人向けのサービスなのに外国人の写真が使われている」「写真の人物の服装が会社のイメージと合わない」などです。
いずれもブランディングで失敗しやすい事例なので、もしそのような写真を使っていたら、すぐに改善することをおすすめします。
3.ホームページ全体のトンマナが統一されているか
トンマナとは「トーン&マナー」の略で、レイアウトやデザイン、文章表現などの一貫性を保つためのルールのことです。
具体的には以下のような内容があります。
・文字フォント
・文体・語尾(である調、ですます調)
・表記の統一(単位や記号、外来語など)
・ページごとの配色
・掲載している写真の雰囲気
トンマナがしっかり決まっていると、ホームページ全体に統一感が生まれ、お客様に一貫したブランドイメージを伝えることができます。トンマナがぶれないためにも、社内であらかじめ共通ルールを作成しておくと良いでしょう。
デザインの良し悪しよりもブランディングを伝えるために大事なこととは?
ブランディングにおいて一番大事なことは、デザインのカッコよさやキレイさではなく、「ブランドが表現できているか」です。「あなたの会社のブランドが何であるか」を、よく理解していることが求められます。
・あなたのブランドとは何か?
・あなたや会社の強みや魅力は何か
・あなたのブランドで大切にしたいことは何か
それを知るためにも、まずあなたの会社の棚卸を行うことをおすすめします。
1.デザインに入る前にやるべき「自社の棚卸」
あなたは、自社の強みを聞かれたら何と答えますか? 即座に答えられる人は「自社ブランド」を理解していると言えます。一方で「何だろう・・・?」となる人は、今一度、自社ブランドの強みや魅力などを棚卸してみましょう。
2.自社の棚卸をする方法とは?
自社の棚卸をする方法には、3C分析やSWOT分析などがあります。
3C分析
3C分析とは、自社を取り巻く環境や競合について知るための分析手法です。3CとはCustomer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)を表し、以下のような点を分析します。
・Customer(顧客)・・・顧客はどのような人か、人数はどのぐらいで、どのようなニーズがあるのか
・Competitor(競合)・・・競合する他社がどれぐらいあるか、他者はどのような取り組みで結果を出しているのか
・Company(自社)・・・顧客層と競合の取り組みに対して自社の強みや弱みは何か、競合との差別化をどう図るか
SWOT分析
自社の強みや弱みに特化した分析手法として有名なのがSWOT分析です。SWOTとは、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の4つを表します。
・Strengths(強み)・・・自社の強みや得意なこと
・Weaknesses(弱み)・・・自社の弱みや苦手なこと
・Opportunities(機会)・・・市場で自社にプラスになる要素
・Threats(脅威)・・・市場で自社にマイナスとなる要素
これら4つの要素を組み合わせて、以下のように分析します。
機会×強み=自社の強みをもって機会を生かして事業を成長させる
機会×弱み=自社の弱みを補うことで機会を逃さないよう対策する
脅威×強み=自社の強みを生かして脅威を克服し、新たな機会に変える
脅威×弱み=自社の弱みを理解し、脅威を避けることで影響を最小限にする
このように自社の棚卸を行うことで、ブランディングを理解し、活用することができます。
しかし、自分一人だけでやってもなかなか最初から良い分析結果は得られないものです。そのようなときは、ブランドを客観的に見てアドバイスしてくれる人に頼るのも良い方法でしょう。
まとめ
ブランディングの本質は、見た目のデザインよりも、その根底にある想いや情熱、ビジョン、付加価値などをお客様に届くように工夫して伝えることです。そのためにも、あなたの会社の強みや弱みを知り、自社ブランドを正しく理解することが大切です。この機会に、あなたも自社ブランドを今一度見直してみませんか?